1. 岡山市 だてそば
二日目の目的地、岡山市に着いたので岡山名物「デミカツ丼」を食べるために、市内で知らない人はいないと言う「だてそば」という店で晩飯を食うことにした。岡山ではカツ丼にデミグラスソースがかけられているのが普通で、観光客に分かりやすくデミカツ丼と称しているようだがこの店では老舗らしくカツ丼とだけ書かれており、他にも中華そばが食べられる。そこで、カツ丼と中華そばのセットを注文することにした。中華そばが先に出されたが程なくして、お目当てのカツ丼がやって来た。用意された生卵を真ん中に落とし、まずは崩さずにトンカツとご飯だけで食べてみる。カツは当然揚げたてでサクサクしており、デミグラスソースの染みたご飯と肉汁が口の中でとろけ合う。次に卵を解いて食べてみると、ご飯に上手い具合に絡んでこれまた美味い。口の中がソースの濃い味で満たされたら、あっさりとした鶏ガラ醤油スープの中華そばで口を直す。するとまたカツ丼の味が恋しくなる。以下エンドレス。ボリュームも値段の割に満足のいく多さで満腹になった。是非また足を運びたい。
2. 倉敷市 ふるいち
ぶっかけうどんと言うと香川の讃岐うどんがイメージされることが多いが、ここ倉敷市でも讃岐とは少し異なったぶっかけうどんが名物料理となっている。うずらの卵や天ぷらをはじめ様々な具材をトッピングすることができ、蕎麦つゆにルーツを持つ濃い味のだし汁がかけられる。冷たいうどんでは、薬味に生姜ではなく山椒が使われるのも珍しい。今回はシンプルな温かいぶっかけうどんに薩摩揚げをトッピングし、岡山の郷土料理えびめしのおにぎりを付け合わせで食べた。甘辛いだしとソースで味付けされたえびめしはミスマッチかと思ったが、えびめしはピラフに似た風味で意外と味が薄くちょうどよかった。
3.笠岡市 中華そば いではら
笠岡市には「鶏そば」とも呼ばれるご当地ラーメン、笠岡ラーメンがあるという話を聞いてこの店にやってきた。この地域では昔から養鶏が盛んであったこともあり、鶏ガラ醤油のスープに中太麺、焼豚の代わりに「かしわ」と呼ばれる親鶏の肉を使ったチャーシューがのせられている。かなりの人気店らしく、食事時を外して来店したにもかかわらず私達が店に入った後に待ち客が出来ていた。こじんまりとした店構えで注文してから少し時間がかかったが、観光情報誌を読んで暇を潰していると十分弱でラーメンが手元に運ばれてきた。まずはじめにスープを少しすすると、鶏ガラの強いコクと醤油味が上手くマッチして口の中に広がる。こんなスープは今まで飲んだことが無い。強いて言うならチキンラーメンに似ているが、より濃厚で上質な味になっている。極め付けは鶏肉のチャーシューだ。強い歯ごたえと、噛めば噛むほど出てくる旨味がたまらない。まさに鶏肉の美味しさを最大限に引き出しているラーメンと言えるだろう。